とくしまの歴史散歩

国会議事堂ができるまでの経緯

 明治22年大日本帝国憲法が発布され、翌明治23年に国会が開設されました。しかし、本格的な国会議事堂の建築が間に合わず、麹町区(現在の千代田区)内幸町2丁目に木造の仮議事堂が建築されました。仮議事堂は2度火災で全焼したため、都合3回にわたり仮議事堂は建築されたのです。そして、第1回帝国議会から昭和11年の第69回帝国議会まで46年間は仮住まいだったのです。 
 現在の国会議事堂は明治19年に建築することが決定され、内閣(後に内務省)に臨時建築局が設置されました。明治41年から議院建築調査費を予算に計上し、大正元年まで全国各地の建築用木材や石材の調査を行いました。
 そして、大正9年6月に建築工事に着手し、昭和11年11月にの鉄筋コンクリ一耐震耐火建築として完成したのです。総工費は2,574万円(現在の価格で約500億円程度)でした。

 

国会議事堂に使われている徳島県産の大理石

 国会議事堂の外装の石材は、3種類ですべて花こう岩で、広島県、山口県、新潟県のものです。
 一方、内装には35銘柄の大理石、5種類の蛇紋岩などの石材が使用されています。その中には朝鮮半島や台湾の石材も一部に含まれていますが、ほとんどは日本国内産です。現在は、採取できないものが多く、「国産石材の博物館」とも言われています。
 なお、内装材としての大理石の使用量は、徳島県産のものが最も多く、重要な場所に使用されています。
 徳島県産の大理石は、西南日本地質帯の秩父累帯の南部を占める那賀川帯から産出しているもので、次の7銘柄です。
 なお、徳島県産の大理石は、国立博物館本館、文部科学省旧館など歴史的重要建造物にも使用されています。

 

No 大理石の銘柄 銘  柄  の  産  地
 時 鳥 ( ほととぎす )  阿南市阿瀬比町阿利田
 加茂更紗 ( かもさらさ )  阿南市桑野町大地
 答 島 ( こたじま )  阿南市津乃峰町東分
 淡 雪 ( あわゆき )  阿南市阿瀬比町阿利田
 新淡雪 ( しんあわゆき )  阿南市宝田町井関
 曙 ( あけぼの )  那賀郡那賀町坂州高山平(旧木沢村)
 木頭石 ( きとういし )  那賀郡那賀町木頭みさご山(旧木頭村)

 

 

国会議事堂の徳島県産大理石の使用箇所

1 国会議事堂(2階)

 

国会議事堂1.2階

 

2 国会議事堂(3階)

 

国会議事堂3階

 

  ※ この図は、石田啓祐氏、中尾賢一氏、香西武氏の共同研究「徳島県産国会議事堂大理石の研究」を参照しました。